中野駅周辺を歩いて、ふと気づくことはありませんか? あれ、中野ってバスがいくつも通ってる!
と、案外どうでもいいけれど、なんか気になるこんなこと。
バス停留所と行先のMAPがこちら。
<11月1日より、赤③の宿08と赤⑧阿45の乗り場が逆になります>
全15運行。本当にいろんなところへ行けますね。もちろんJRや地下鉄も充実している中野は電車を利用できますが、
基本一律料金、乗り換えなしでのんびり目的近くまで運んでくれるバスは、生活の交通手段でありながら
旅の情緒も感じられます。
そうだ、
バス旅へ行こう!
ということで、旅というにはド近場ですが、今回は中野からバスで行ける町への旅をご案内。
主な最終地点は阿佐ヶ谷、池袋、新宿に渋谷……、うーん、どれもよく行くところ。
吉祥寺に野方、江古田に練馬……、おっ、練馬!? 23区のひとつであるものの、
「行く目的がない」と、なかなか着地しない練馬。
そうだ、
バスで練馬へ行こう!
中野から練馬までの乗り場は2ヵ所。中野サンプラザ近くの1番と7番です。
運行事業者と中野~練馬までの運行系統が異なるだけで、練馬駅を目指すならどちらでもOK、と思いましたが、要チェック!
実は、7番から出ているバスは現金210円、IC206円/大人。1番より10円安いのです!
そして、平日の1時間あたりの本数も1番は2~3本に対し、7番は6~12本とダントツ。
<発車時刻表。上が1番乗り場、下が7番乗り場>
PICNIC GOHANでランチを済ませた平日の14:01、7番からバスに乗り込み、練馬へ向けて出発です!
ゆらゆらと、終点の練馬駅北口に着いたのは14:34。33分のバス旅です。
電車との比較
乗り換え:バス0回>電車1回
IC料金:バス206円>電車349円
時間:バス約33分<電車約22分
さて、たぶん初めて降り立った練馬駅、これといった情報も持っていないのでどこへ行こう。
目の前に立つビル、coconeriに「練馬のお土産あります」などと書かれた垂れ幕を見つけたので、
手始めの情報集めに訪ねてみました。
<区民憩いの場。3階の産業・観光情報コーナーは21時までやっているのでありがたい>
<室内は広く、練馬土産や書籍閲覧コーナーが設けられています>
パラパラと練馬のガイドブックに目を通すと、「へぇ」がたくさんあって面白い。
陳列された練馬物産も楽しく、軽く1時間過ごせる場所でした。
中でもおもしろかったのがこちらの、I❤練馬あるあるという絵本。
<練馬区は大泉学園在住の絵本作家さんによる記念絵本で、愉快なトークとゆるい漫画で
あまり目立たない練馬を自虐交えてアピール。1,200円は、1,500冊限定>
1時間費やした練馬収集で得た
練馬、4つの基本情報(著者ジャッジ)
1:1947年に板橋区から独立し、23番目に区の仲間入りをした新しい区
2:23区なのにJRが通っていない(西武鉄道の池袋線・豊島線・西部有楽町線と、都営地下鉄の大江戸線)
3:区の約9割が住宅地、残りは畑という、区では珍しい農業地
4:そんな畑で育つ練馬大根の推しっぷりがハンパない
さて、そこから時間の許す限り練馬駅をひたすら歩いて見つけた
練馬駅に来たなら訪ねるべき5選! をご紹介します。
BEST.5
北のコッペパン専門店
今年7月にOPENしたばかりの、コッペパン専門店 豪雪堂。ただのコッペパンでなく、
ここを手掛けたベーカリープロデューサーの故郷である北海道北見市をウリにしていることもおすすめポイントのひとつ。
<オホーツク圏最大の都市、北見市の冬の寒さが伝わる屋号>
<北見と言えばカーリングとハッカが有名ですが、まさかのハッカショコラコッペも!>
<そのほか、北見玉ねぎビビンバ、北見生ダレ焼肉、北海道あんバター、ザンギ(から揚げ)など、
北見市や北海道の食材を使った、おかしコッペ・おかずコッペが盛りだくさん>
<今回オーダーしたのは、人気No.1の豪雪コッペ 290円。豪雪に見立てたたっぷり生クリームと粉砂糖を
振りかけたおやつコッペは、近くの公園で3時のおやつにパクリ。生クリーム好きにはたまらないボリューミーで幸せ。
※サンドする前に写真を撮り忘れてしまったのでチラシからの抜粋です>
ふかふかコッペは自社工房で毎日手づくり。作り置きはせず、オーダーを頂いてからその場で調理
するので作りたてが頂けます。練馬を訪ねるたびに1コッペ。全種類制覇を狙ってみませんか?
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北のコッペパン専門店 豪雪堂
【住所】東京都練馬区練馬1-12-11
【TEL】03-5946-9235
【OPEN】11:00~20:00(パンがなくなり次第終了)
【CLOSE】不定休
【最寄り駅】練馬駅中央北口よりすぐ
https://www.gosetsudo.com/
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BEST.4
東神社で歩行瞑想
酉の市も開催される練馬大鳥神社の裏にあるのが、鳥居がない小さな神社 東神社(とうじんじゃ)。
出雲大社と同じ二礼四拍手一拝が作法のここには、手水舎の代わりともいえる開運出世金融祈願の石塔があり、
そこから流れる水は天明神水と呼ばれ、お金のご利益があると言われています。
ここはお水取りができるうえ、その水に浸した当神社のお守りをお財布に入れて持ち歩くと金運アップすると言われています。
<TAKE FREEのペットボトルもあるので、ご神水の持ち帰りもOK>
四角形の石塔にはそれぞれに東・西・南・北が彫られていて、生年月日から導かれる守護神とその月によって汲む場所が異なるようです。
調べて頂いた結果、著者の守護神はこんとくひめ命。
<訪ねた10月某日、こんとくひめ命の良き方角は北東のよう>
<北東に体の正面を向けるので、その対面、西南からお神水を頂きます>
訪ねるひとりひとりに神社の方がご親切に説明してくださるのですが、
「これから歩行禅があるのでよかったらご参加ください」とおっしゃります。時間は15:30。
まだまだ時間があるので参加してみることにしました。
<建物の中が内殿。感じる人には感じるらしいパワースポット。ここを歩くようです>
神主さんが、「“右足を上げます、運びます、下ろします。左足を上げます、運びます、下ろします”と、
今している行動だけに意識を集中して30分ひたすら歩いてください。ほかはなにも考えない。
邪念を消して、今していることだけに集中することで、インスピレーションが生まれます」と教えます。
この日の参加者は3名。ここでは毎日だいたい15:30頃から30分、無料で歩行禅を受けることができます。
最後は神主さんからお札を頂き、背中をさすって頂き終了です。
<参加賞と言っていいのでしょうか、頂いたお札は30枚集めるとなにか頂けるらしい(左)。
ここでは毎日の歩行禅のほか、おきよめ会、相談会(占いのようなもの)も開催(右)>
練馬駅からすぐなので、お神水を頂くだけでももちろん、気軽に参加できる禅や会に参加し、
日常から離れた時間を過ごしてみてはいかがでしょう。
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東神社
【住所】東京都練馬区豊玉北5-18-2
【TEL】03-3991-1154
【時間】上記よりお問い合わせください
【最寄り駅】練馬駅南口より徒歩約3分
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BEST.3
つりぼりカフェでCatch and EAT!
東神社で清めたあとのギャップに困惑しますが、なんと、カウンターで飲み物を頂きながら釣りができるという珍カフェ発見。
<もともとは釣り具屋。「子供から大人まで気軽に釣りを楽しんでもらいたい」
というオーナーの粋な計らいから、釣った魚をその場で天ぷらかから揚げにして頂ける、
釣り堀カフェとして2016年にリニューアル>
<釣り料金は1時間1,000円でドリンクと共に前払い。アルコールもソフトドリンクも充実しています>
<お店のド真ん中に推定直径3mほどの生け簀。斬新すぎてドキドキワクワク>
<生け簀の回りの席にIN。釣った魚を入れておくネット、親切漂うカウンター、釣り竿、餌、お好みのドリンク
(ちなみにカールスバーグ500円)が基本セット。これらがついているので手ぶらでOK>
オーナーが餌のつけ方、釣り方を教えてくださりスタートします。緊張しながら釣り竿を下ろすと、
一気に魚が寄ってきてまた興奮。この日の魚は食用として養殖されたホンモロコ。琵琶湖原産の高級魚らしいです。
<シュールすぎ>
手応えは感じず、餌をじっくり見て「かかった」と思ったら一気に引くのがコツなので、
油断をするとすぐ餌だけ食べられてしまい、なかなか釣れない。気が付くと1匹も連れないまま30分経過。
1時間で釣る数は自由ですが、調理してもらえる数は10匹まで。
1匹も連れない人にもサービス、なんてことはないので、釣れないと食べられません。焦る。
興奮して自然と立ち釣り吞みになってしまいます。と、ついに釣れました!!
<キャッキャキャッキャと嬉し悲鳴が響く店内。楽しい>
<初めまして、ホンモロコさん>
なんとなくコツを覚えると、目はホンモロコから離さないながらも、ようやく居酒屋にいるような世間話ができる余裕が。
1時間でどうにか5匹を釣ることができました(1匹は手から滑ってうっかりリリース)。
<から揚げをオーダー。カリカリホクホクしておいしい!>
延長もできますが、釣り時間+料理待ち+食べる時間の1時間ちょいの滞在+アルコール1杯=1,500円なので、
ちょいエンターテイメント吞みにおすすめです。
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つりぼりカフェ Catch and Eat
【住所】東京都練馬区練馬1-35-1 東京第二ビル106
【TEL】03-5912-0838
【OPEN】15:00~23:00、土曜12:00~23:00、日曜祝日10:00~22:00
釣りの最終受付は閉店の1時間半前
【釣り料金】1時間/1,000円 延長30分500円+ドリンク別途
【最寄り駅】練馬駅北口より徒歩約3分
https://www.catch-eat.com/
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BEST.2
〆の呑み屋はタイ立ち呑みでキマリ
旅を締めくくるのはやっぱりお酒。駅周辺にはたくさんの呑み屋が点在しますが、著者はひと際異空間を漂わせ、
タイ料理で立ち呑みという斬新スタイルに惹かれた福道(ひょうたん)をチョイス。
<タイに惚れ込んだ日本人オーナーが、一人吞みにも気軽にタイ料理を、とタイ人コックを雇っている、
OPEN9年の人気タイ呑み屋>
<カウンターにはタイ料理の大皿が並びます>
立ち呑みカウンターは5人、奥のテーブルは8人程度、つまみはもちろん、ランチ営業もやっていてしっかりごはんもあるので
女性ひとり・グループでも入りやすいアットホームな居酒屋です。
<人気な理由のひとつは、タイに惚れ込んだこちらのオーナー。気さくに話してくれるので、ひとり立ち吞みでも楽しい>
<今が時期、本場タイのカエルを思い切ってオーダー。目を閉じてパクリ。茹ででなく揚げなので、
肉というより小魚を食べてカルシウム取っている感覚>
1号店のここ練馬のほか、2号店の江古田、3号店の板橋があって、練馬はタイ東北部イサーン料理、
江古田と板橋はタイ北部チェンライ料理なので、ぜひはしごしてみたいですね。
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福道(ひょうたん)
【住所】東京都練馬区豊玉北5-22-15
【TEL】03-3992-0406
【OPEN】11:30~14:30(ランチ)、17:00~24:00、
【CLOSE】日曜(ランチのみ)
【最寄り駅】練馬駅南口より徒歩約4分
http://tachinomihyotan.blogspot.com/
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BEST.1
練馬大根三昧
練馬の土壌は柔らかい赤土層で、植物の生育に最適と言われ、とくに大根は江戸時代から栽培が始まっています。
強い辛みが特徴の白首大根の一種で、長いもので1mと、青首大根の約2倍。旬の1月にはマルシェで出回るようで
今はお目にかかれないのですが、行く先々で練馬大根推しで、すっかり虜になってしまい一部を集めてみました。
<区の公式アニメキャラ「ねり丸」は大根をイメージ。背中にある鶏冠もどき、実は大根の葉っぱでした>
<右上から時計回りで、練馬大根が入った木村屋のだいこんまんじゅう 170円、練馬大根から採った天然酵母を
使用したデンマークのねりまだいこん食パン 270円、練馬大根葉入り木村屋の大根もなか 220円、
大根パウダーが入ったパティスリーカミタニ×栄泉のコラボ練馬大根クッキー 130円>
<時期になると学校給食にも出るらしい、練馬オリジナルの練馬スパゲッティ再現。レシピはこちらから>
<これも気になる、練馬大根あるある>
・練馬大根ひっこぬき競技大会があるらしい
・練馬沢庵大根の種や、練馬大根味のドロップスもあるらしい
・練馬区役所近くにある創作料理屋きらりでは、大根焼酎が吞めるらしい
なんだなんだ、あるじゃないか練馬の見どころ!
中野までのバス終電、平日は21:47、週末は21:44。中野でランチを食べてから練馬を訪ね、
〆呑みしても十分楽しめた練馬。さぁ、バスde練馬さんぽへGO!
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Writing/photo湯野澤いづみ