みんなのお腹を満たすごはんと想いを積め込み移動するフードトラック、
今回は毎週木曜日に出店している、チキンオーバーライス「IKOAN(イコアン)」
をご紹介します。
一品勝負の
チキンオーバーライスとは?
サフランライスの上に下味をつけたグリルチキンを乗せ、ホワイトソースとスイートチリソースをかけたもの、
トルコ発祥のそれをNYで人気の屋台“ベンダー”が地元で流行らせた屋台メシ、それがチキンオーバーライスです。
お米を白米に、ソースを醤油やみりんで作ったタレに変えれば、日本で言う焼き鳥丼と言うとイメージがつくでしょうか。
様々なフードトラックが2品以上のメニューや週替わりを提供する中、IKOANはチキンオーバーライス一品のみを提供しています。
<シンプルイズベスト、なフードトラック>
「2品以上提供したほうがいいかなと思ったときもあったのですが
チキンオーバーライスだけでここまでやれているので、このままでいいかな」
と、なんとなくな口調でゆったり話す榊原さん。
そう語る通り、いつも行列が絶えないIKOANのチキンオーバーライスは
一品だからこそ極めた味付けと蒸し焼き加減がやみつきで、さらに7種類もの
ソースを選び愉しめることが人気の理由です。
ヨーグルトソースとスイートチリソースのベーシック
テリマヨ
ネギ塩ダレ
旨辛味噌ダレ
サルサマヨ
タルタルソース
ゆずこしょうダレ
<5種類のスパイスとにんにく、しょうがで一晩下味をつたチキンをその場で蒸し焼きするのが特徴>
<IKOANのライスはサフランでなく、美容や生活習慣病予防にも効果のあるスパイス、ターメリックで炊いたもの>
<一番人気の、自家製ヨーグルトソースとスイートチリソースをかけたチキンオーバーライス ¥650>
長く続く秘訣は
“なんとなく”
料理経験のなかった榊原さんですが、友人となんとなく
始めたフードトラックがこの業界入りのきっかけです。
当時はクレープや、母方のご出身である沖縄の料理を提供していました。
ある日、同じイベントに出店していたIKOANの当時のオーナーに
出逢い、交流が始まります。そう、IKOANはもともとあった業態を
榊原さんが丸々受け継いだものなのです。
「元オーナーがほかの仕事をしたくなったのかな。
“やらないか”って言われて、なんとなく“はい、やります”って」。
<屋号であるIKOANは元オーナーの息子さんNAOKIを逆にしたもの、
チキンオーバーライスは当時流行っていたから、なんだそう>
「屋号もメニューも自分のしたいように変えたいとか思ってないですね」と
話す榊原さんを見ていると、自分のしたことを追い挑戦し続けることが
全てではなく、人が作り上げたコトを丁寧に、大事に受け継いでいき、
忠実にこなし、ゆったり暮らす、そんな肩の下した生き方もあるんだなと、
モグモグ食べたながら、なぜか人生観に浸ってしまいました。
パンチあるチキンオーバーライスに込められた
なんとなくというスローな想い、味わってみませんか。
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Writing/photo湯野澤いづみ