美味しいランチを販売してくれるフードトラック。普段は聞けないお店のヒストリーや、料理、素材へのこだわりを知ると、美味しい料理がさらに美味しく、身近に感じられるもの。
今回は、毎週金曜日に出店している中華料理の店「スマイルダイニング」を紹介します。
スマイルダイニングを切り盛りしているのは、中国・上海出身の鶴谷幸さん。鶴谷さんが日本に来たのはもう20年以上も前のこと。バリバリのビジネスウーマンを夢見ていた鶴谷さんは日本の企業に就職するために来日。日本の大学に入学し、卒業後は大手企業で働いていたこともあるそう。
やがて日本人の旦那さんと結婚し、子供も授かった鶴谷さん。子育てをするなか、ママ友仲間に故郷中国の料理を振る舞ったのが今の仕事をはじめるきっかけになったのだとか。
「むかしから私は、料理を作って人に食べてもらうのが好きだったの。それで、この仕事を始めたわけ」
当初はフードトラックではなくお店も営業していた鶴谷さん。しかしいまはお店の営業はせず、フードトラックでのランチ営業に力を入れているそう。
「会社勤めの方々は忙しい一日のなか、お昼をバランスよく食べることが難しい。中華をとおして、季節ごとの旬の食材をバランスよく食べていただきたいという一心で、キッチンンカーでランチ営業することにしました」
「スマイルダイニング」の嬉しい特徴は、お好みのメニューを組み合わせて自分だけのランチBOXを作れるところ。たとえばある日のメニューは、「四川麻婆豆腐」「厚切り豚肉辛口炒め」「ゴーヤ肉炒め」「干し豆腐和え」「鶏肉黒酢あんかけ」の5品。
<「厚切り豚肉辛口炒め」(左)と「ゴーヤ肉炒め」(右)>
<「鶏肉黒酢あんかけ」(左)と「干し豆腐和え」(右)>
<選べるメニューは毎日黒板に掲示してあります。>
このなかから好きなメニューを最大3品まで選ぶことができます。つまり短いお昼休みに、中華コースさながらのメニューを楽しむことができるのです。しかも、メニューは週ごとに変わるので飽きることがありません。
<「厚切り豚肉辛口炒め」「ゴーヤ肉炒め」「干し豆腐和え」の3品とチョイス!>
<選べるおかずはバットに入れて。寒い日は冷めないようコンロで温めながら営業します。>
「中華料理を通して一年を楽しんでもらえるよう、季節に合ったメニューを提供しています!ゴーヤ食べれる?なら今日はゴーヤがオススメよ!」
こんな調子で、あたたかいご飯のうえにおかずをたっぷり盛り付けてくれます。
そんな「スマイルダイニング」で唯一、一年を通して提供しているのが看板メニューの「麻婆豆腐」。
<「スマイルダイニングの看板メニュー「四川麻婆豆腐」>
味の決め手となるのは、中国から取り寄せる本場の山椒。その山椒を独自の配合でブレンドしたソースで作るという「麻婆豆腐」は、口に入れた瞬間は豆板醤の甘みが広がり、徐々に山椒の香りが口から鼻にかけて広がっていきます。その味はまさに本場の味。「麻婆豆腐」好きだけでなく、「中華料理」が好きなら一度は食べたい味です。
ぜひ、金曜日に中野にお越しの際はご利用ください!
<「麻婆豆腐」単品は600円。おかずの2品盛りは680円、3品盛りは780円>
Writing/photo加茂光