番外編あるき~篠崎~ 本のソムリエさん推薦本を読んでみよう「読書のすすめ」

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POSTED | 2018年9月26日

毎月発行のPICNIC GOHANフリーペーパー、9月の“秋の昼長に読書はいかが?”
はすでに手に取って頂いたでしょうか? 本のソムリエさんにご登場いただき、
読書と食事の意外な関係について、ランチに読みたい極上の一冊をご紹介していますが
今回はそんな本のソムリエさんにさらに密着してみました。

本のソムリエさんがいる本屋さん

とにかく気になるじゃないですか、本のソムリエだなんて。
中野から九段下経由で約1時間、ピューンと行ってきました、東京は江戸川区にある篠崎へ。
そこは本のソムリエ、清水克衛さんが1995年にOPENした本屋さんがあります。

<一見薬局かなと思ってしまう外観ですが、ここは本屋さん>


<店内はれっきとした本屋さんであるものの、袋積みのままだったりしてアットホーム>


<本のソムリエ、清水さん。ご自身も20冊ほど出版しています>

本のソムリエとして紹介、出演したテレビ番組などでベストセラー本が生まれる現象が
続出し注目を浴びていますが、本のソムリエとは某番組でそう名付けらたそうです。

本のソムリエさん
「僕はお客さんによく声をかけるんです。“なにかお探しの本はありますか?”とか。
始めの頃は嫌がられてお店を出て行かれてしまったこともありました。僕はおせっかいなんでしょうね。
でも“実は仕事がうまくいかなくて……”などと相談してくれる方もいて、そんな方たちに響く本をすすめするんです。
それが少しずつ反響を呼んで口コミで広がったんでしょうね。
そうして出演を受けた番組が僕を“本のソムリエ”と紹介し、またそれが広がりました」

なかなか本屋の店主に人生相談もしないし、聞いてそれにあった本を紹介してくれるなんてこともないですよね。
本のソムリエさんが常駐する本屋さんだなんてすてきです!


<本屋には珍しい自由帳>

そしてもうひとつの特徴がこちら。

本のソムリエさん
「シェフは味見をして食事を出しますよね。ワインのソムリエだってたくさんのワインを
吟味してお客さまにお出しする。ここは僕が本を味見して、いいと思った本だけを置いています」

おぉ、なんという説得力。よく見てみると新刊より、古い本や珍しい本が並びます。

<仕事柄、一ヵ月に20~30冊は本を読む清水さん。味のある段ボールに書かれたおすすめコメントがまた親近感>

本のソムリエさんの読書のすすめ

本のソムリエさんはその人に合った本を進めてくれますが、読み方も教えてくださいます。

読書のすすめ①【人から勧められた本を素直に読んでみる】

好みがあるのはわかります。ですが、それだと自分の好きなことだけで埋め尽くされますよね。
たまには人から勧められた本も読んでみましょう。新たな発見や世界に出逢い、
毎日がより楽しくなるかもしれません。

読書のすすめ②【インプットとアウトプット。「本から知恵を得るぞ」と思って読んでみる】

2007年調べで、日本では年間約7万冊もの本が出版されているとあります。
毎日本を読んでいても残念ながらすべての本を読むことはできません。
でもこれって人との出会いと同じ。出逢った本をいかに自分のプラスに取り入れ(インプット)、
生かしていくか(アウトプット)。出版社もバカじゃないので売れない本は出版しません。
出版したということは必ずその本にいいところ(自分にプラスになるところ)があります。
そう思って読んでみると意外な教えがあるかもしれません。

読書のすすめ③【縦糸の読書をする】

時代や常識が変わろうが、真理は変わらない。そんな人間の真理を学ぶ読書を縦糸の読書、
インターネットや自然災害など、時代の常識的なことが書かれた本を横糸の読書と
本のソムリエさんは名付けています。横糸の読書だけを読んでいると時代がまた変わったら役立たない
可能性があります。縦糸と横糸の読書をバランスよく読んで、生きた知恵を身につけましょう。
読書のすすめには、そんな縦糸の本をメインに置いています。

<本のソムリエさんの著書、非常識な読書のすすめ(左:現代書林)には
 “人生がガラッと変わる「本の読み方」30”が書かれていておもしろい>


<ミーハー気分で本のソムリエさんからサインを頂きました。“本は心の栄養です”>

本のソムリエさん推薦!

【未来がまだ見えず、平凡に過ごす学生にとくにおすすめの1冊】
「また、必ず会おう」と誰もが言った。
著:喜多川康、サンマーク出版

本のソムリエさん
「こちらの本は、当店で思いっ切りオススメしていたら、あっという間に映画化になり、
 今度はミュージカルにもなってしまいました。誰もが人としての優しさ、それゆえに持ってしまう悲しみ。
 そんな矛盾を高校生の主人公の旅を通して、優しく伝えてくれる物語です」

【なんのために仕事してんだろ……、と悩む社会人にとくにおすすめの1冊】
福の神になった少年
作:丘修三、絵:村上豊、佼成出版社

本のソムリエさん
「この本は本来児童書の分類ですが、当店では立派なビジネス書をしてオススメしています。
 仙台四郎という幕末に実際にいた人物のお話ですが、彼は、別名商売繁盛の神様といわれており、
 仙台に行くといまでもお守りが売られています。四郎さんはなぜ商売繁盛の神様と
 呼ばれるようになったのか?感動のあまり思わず涙を誘ってしまうかもしれません」

【刺激や癒しのご褒美が欲しい主婦やパパママにとくにおすすめの1冊】
スタンド・バイ・ユー
著:岡根芳樹、エイチエス

本のソムリエさん
「人生は一度きりのドラマだ!あなたはそのドラマの主役なのです。ここに書かれている奇想天外なことは、
 著者が実際に体験した事実だというからそれだけで驚きです。人生がドラマだとすれば、ドラマには悪役が必要だし、
 ピンチがないドラマは見ているものが飽きてしまいます。そう考えてみれば、エキサイティングな人生こそが面白い」

【人生に若干憤りを感じている人にとくにおすすめの1冊】
新版 学生に与う
著:河合栄治郎、インタープレイ

本のソムリエさん
この本は、1940年に書かれた本で、戦前戦中当時の学生の必読書である上に、
教師や大人も「人生の書」として読み込んだという、著者が生命(いのち)がけで書いた本として有名です。
この本を書くために、山に引きこもり、毎日17時間執筆を続け、20日間で書き上げたという、
まさに〝魂〟が入った本だからでしょう、当時の学生のほとんどがこの本を読み、当時の大ベストセラー
としてたくさんの人に影響を与えたといわれております。いまや残念かな、この本の存在を多くの方が
忘れてしまっているようですが、当店では大変な人気です。

【哲学とか占いとか理論に興味がある人にとくにおすすめの1冊】
易と人生哲学
著:安岡正篤、致知出版社

本のソムリエさん
「昔から日本では、元号が変わる時や、自然災害が頻繁に起こるときなど、
 誰もが易経(えききょう/五経の一つ。占いの理論と方法を説く書)という東洋哲学を学んでいたのだそうです。
 現代に生きる私たちがまさにその真っただ中にいるのではないでしょうか。易経に関する本は難しそうと
 感じるかもしれません。確かに難しいものもありますが、この本は、東洋思想の碩学者安岡正篤氏が、
 易学初心者にたいして行った講義録なので、読みやすく楽しく読めます」

【秋の夜長というからこそ読めるのではないかと思う人におすすめの1冊】
言志四録 妙録
著:佐藤一斉、世良田嵩(編集)、渡邉五郎三郎(翻訳)、勝川華舟、明徳出版社

本のソムリエさん
「幕末の志士のほとんどがこの本に影響を受け、そして力強く生きていく指針として大変大きな役割をした本です。
言志四録は多く出版されていますが、この本はどの本とも決定的に違う事があるんです。それは
現代語訳はあるのですが、解説が一つも載っていないということ。 多くの言志四録について書かれた本には、
学者や研究者など解説がついているのですが、それはその方の解釈であり、この言志四録に限っては、その文を読み味わい、
そして自分自身で考え、身につけていくものだと思うのです。
なぜそう思うのかと言えば、 学者さんの書かれている事は難しくって意味がわかんないからです!(笑)
かえって他人、または非常に賢い方が間にはさまると、本来は単純明朗に則行動に移すことを目的とした本だと思うのですが、
あまりにも余計なものがつきすぎているような気が前々からしておりました。
私たちは学者でもなく、言志四録の研究者でもないわけです。
普段の生活にこの本を活かし活用することが、もっとも私たちにとって大切なことなんだと思います。
時代の変化が早いと言われている現代ですが、けっして変わらないこともあることを知っていたほうが、
あたふたと世の中に振り回されなくてすみます。 いまのこの時代の日本は、100年後の人たちが、
我々が明治維新をみるのと同じように、”あの時代が日本が大きく変化した時代なんだなー”と思われるような時代なのかもしれないと、
ふと考える時があります。 もしそうだとしたら、幕末の心ある人たちが学んで大いに影響を受けた言志四録をここでまた学ぶことって、
とっても大切なことなんじゃないかと痛切に思うのです」

【とにかくおすすめの1冊】
生くる
著:執行草舟、講談社

本のソムリエさん
「当店最大のロングセラーです。著者は誰もが認める現在での一番の読書家といわれる方です。
 本の内容はともかく、読んだ方は必ず、必ず、今までとは、まったく違った読書体験をすることになるでしょう。
 多くの方がこの本によって人生の舵を大きく変えてしまうのです。ある意味、この本は「毒書」といっていいのかもしれません。
 しかし、良薬口に苦しなのです」

いかがでしたか? 貴重な本のソムリエさん推薦本がこんなにも!!
「忙しくて読書している時間がない」そんな人も、“ない”のではなく
“作って”みて、まずは本のソムリエさん推薦の本を読んでみませんか?
今よりは確実にリラックスできること、お約束します。
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読書のすすめ

【住所】東京都江戸川区篠崎町1-403-4
【Tel】03-5666-0969
【Open】10:00~21:00
【CLOSE】年中無休(年末年始除く)
【最寄り駅】篠崎駅より徒歩約10分

http://www.dokusume.com/
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Writing/photo湯野澤いづみ

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