中野あるきVol.5 日替わりのシェアカフェ「ウナ カメラ リーベラ」

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POSTED | 2017年10月9日
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線路沿いの通りから一本入った静かな路地裏にある「una camera livera(ウナ カメラ リーベラ)」、通称「ウナカメ」は、いくつものお店が日替わりで営業するシェアカフェ。ウクレレが演奏できる「ウクレレ食堂」や、ローラさん自慢のカレーを提供する「ローラカフェ」、多国籍料理「カルマ」や「現代音楽研究会」のLIVEの日など、ほぼ毎日、ユニークなお店がオープンしています。

「カルマ」という名前に覚えがある方もいるかもしれません。じつは「カルマ」は中野駅北口で30年以上続いていた多国籍料理のお店。初期のアルバイトメンバーに料理研究家の高山なおみさんや枝元なほみさんなどが在籍していた伝説的なお店です。2014年に惜しまれつつ閉店しましたが、「ウナカメ」で営業を続けていたのです。というのも、「カルマ」と「ウナカメ」のオーナーはおなじ方。このことを知らなかった筆者、「閉店したと思っていたカルマにまた行ける!」とさっそくお店を訪ね、オーナーの丸山伊太朗さんにお話を伺いました。


<オーナーの丸山さん>

どうしてウナカメをやろうと思ったのですか?

ウナカメをオープンしたのは2001年。当時、アート系の学生がカルマでアルバイトしていた関係もあって絵の展示などもしていたのですが、もう少し大きめの絵も展示できるようなギャラリーカフェをやりたいと思ったのがきっかけです。また当時、自宅をカフェにする「おうちカフェ」が流行りだしていて「面白いなー」と思っていたのでそんな雰囲気のお店やってみようと。カルマも営業しながら同時進行でウナカメをオープンさせました。

シェアカフェというスタイルは珍しかったのでは?

じつは北口にあったカルマでも、朝にパン屋さんをやってもらったり、深夜にBARを開いたりという経験がありました。そうすると、パン屋やBARのお客さんがカルマに来てくれたり、その逆もあったりと良い相乗効果が生まれたんです。「ウナカメ」ではそのアイデアを発展させて、いろんな人が一緒にやるカフェにしようということにしました。オープン当時はなかなか世間に理解されなかったですけど、最近ようやく受け入れられてきましたね。

ウナカメでお店を出すための基準はありますか?

最近は「カフェ」が多いですけど、どんなスタイルでもOKなんです。このスペースを活用したいという方はミーティングに来てアイデアを提案してもらい、みんなの了承が得られれば月1日の営業でも出店できます。自主保育をやっているお母さんたちのカフェもあるし、介護で苦労を抱えている人たちが集まってお茶を飲みながら話をするケアラーズカフェというのもあります。

コミュニティスペースのような場所、ということでしょうか。

実質的にそういう場になっているかもしれませんが、「コミュニティースペース」という言葉にも一定のイメージがあるので、そういう言い方はしないようにしています。それに私は、“困っている人を助けたい”わけじゃなくて、「困っている人を助けたいけど場所がない」と困っている人に「どうぞ」と場所を提供する、っていうスタンスですね。今日はカルマの日ですけど、別のお店の営業の日にも、ぜひ遊びに来てください!

「なるほど、ぜひ別のお店にも来てみます!」ということで、月1回営業しているという「ローラカフェ」の日にウナカメを再訪しました。店長のローラさんにお話を伺うと、ウナカメがどういう場所なのか、その輪郭が少しずつ見えてきました。


<ローラカフェのメニューラインナップはシンプル。カレーとドリンクとセットのみ!>

ローラカフェの営業は毎月第4週の日曜日の月1回。9月の営業日の9/24(日)にお店を伺いました。

アパートメントの一室を改装した店内へ靴を脱いで入っていくと、まるで友達の家に遊びに来たような、まったりとくつろげる空間が広がっています。

ローラさんは料理店で働いた経験こそないものの、料理が好きで、食べることが大好きで、いつかお店をやりたいと考えていたのだそう。そんなとき、ウナカメの噂を聞き、この場所で出店することを決めたそうです。

ローラさんはどうしてここでカフェをやろうと?

昔からお店をやりたいと思っていたんです。でもそれはただの飲食店じゃなくて、なにかを発信して、人が繋がっていけるような多目的な空間を作りたいなーって。この場所に来たときにビビビと来て、ここなら、ずっと考えてたことができるんじゃないかって思ったの。毎日お店を営業するのは私には大変だけど、月1回のペースだから無理なくできるのよ。


<ローラカフェの店主のローラさん。普段は学童保育で働いているそう>

自分でお店をオープンさせようと思うと、資金や準備など膨大なエネルギーが必要となります。しかしウナカメなら、ローラさんのように月1回でも自分の場を持つことができます。ウナカメの存在は、なにかを始めたい人、なにかを発信したい人、しかも場所がないとそれができない人たちが一歩を踏み出すスタートの場になっているようです。

丸山さんはこの他、早稲田通り沿いで「エカイエ」、阿佐ヶ谷で「イネル」、鳥取県で「Tottoriカルマ」も切り盛りしています。お近くにお寄りの際はぜひお立ち寄りを!


<お皿のなかに絵を描くイメージで料理してます、と話すローラさんのカレーは彩も鮮やか。>


<取材日はちょうど、御年90歳を迎えるきよゑさんが作るフェルト作品展「ボケボー展」の開催中でした。>


<月間のスケジュールは店内の黒板、HP、チラシなどで公開してます。オープン時間などは予め確認を>

ウナ・カメラ・リーベラ
una camera livera
中野区中野2-12-5 101号
03-5340-8292
営業スケジュールはHPで確認
www.unacame.com/

Writing/photo加茂光

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